自分は心理学には興味があるが様々な心理学のジャンルに触れてきて思うのが系統が全く違うものだと思うことがある。返報性の法則のように狩猟採集時代の時のメカニズムから科学的に説明できるものと、フロイトやユングの理論のように科学ではあるがあくまで仮説として成り立っているものがある。
そこで自分は心理学は二つのジャンルがあるのだと思った。
一つは思想系。いわゆる哲学に近いものだ。哲学は抽象的で一般的な課題や問題に触れることが多いが、心理学はその点において違う。あくまで人を対象としているので心理と名の付く通り個人にフォーカスする。その中で人の心の仕組みをあるモデルを利用して説明していると思う。つまり、人の心を虫眼鏡を通して観察するような感じである。あるモデルとはフロイトの精神分析学やユングの分析心理学、アドラーの個人心理学のようなものである。これらは多くの違いがあるが、どれも仮説に基づいて人の心理や理論として説明している。
二つ目は、統計の心理学である。科学の発展によって因果関係はわからないが相関関係があることで人の習性を数学的に説明できるようになった。「権威効果」は多くの人が教師や警察官などの位が高く感じる職業の人たちに対して高く評価してしまうことである。これは実験によって権威があるとされる職業の人たちに対しては相手の身長よりも高く見てしまうことがわかる。このように実験を通して人の心の仕組みを解き明かそうとしている。この心理学も今では当たり前だが、ブッダもイエスもムハンマドも孔子も人の心を学ぶために統計学である理科や数学を学べと言われたら、たぶん動揺していたと思う。
心理学は一応科学には含まれるけど、この二つに関しては分野が全然違うなと思った。もちろん、状況に応じて二つを使い分ける必要があるが分けて考えたほうがいいと思う。主にカウンセリングにおいては前者のほうが伝えやすいと思うし、営業とか恋愛など他人に行動をさせようとするときは後者のほうがいいかも。もちろん、コミュニケーションにおいてはどちらも使えるものではあるけど。
心理学はよく人の心を読める学問と誤解されることがあるけど実際は他人の心を読むことはできない。だからモデルや仮説だったり統計を利用して人の心を理解しようとしている。もし興味をもったのなら一度触れてみてほしい。特にコミュニケーションや人間関係に問題を抱えているあなたに。アルフレッド・アドラーはこう言った「すべての悩みは対人関係の悩みである」
コメント