精神病と心の複雑性

悩み解決

カウンセリングにおいて、クライアントが何の病気になっているかを判断することは大切である。もちろん、精神病は目に見えるものではないから病気の種類を判断することは難しい。だからと言って精神病を無視することはクライアントを死に追い込む可能性もある。

人の心は複雑なものであり、精神病たった一つで心が決定するわけではないが人のここのはデリケートで自分の気持ちや体調などからも影響を受ける。

精神病は現代においては増加傾向がある。私たちにおいて4人のうちに一人が人生においてうつや精神的な不安といった精神的な不調を経験すると言われている。このように精神的な不調は現代の人々において一般的になっている。

しかし、ここで一つ問題がある。それは精神病は解釈次第によっては誰にでも当てはまるようになるということである。例えば双極性障害について取り上げてみる。双極性障害とは気分が高揚するとき(躁状態)と気分が落ち込む状態(鬱状態)を繰り返すことである。しかし、人は気分によって自分がハイテンションなときとローテンションなときとわかれることがある。そして個人差というものは、はっきり分かれているわけではなくてグラデーションになっている。ハイテンションとローテンションにおいての差は人によって分かれ方は滑らかになっており、病気の基準として線引きすることはできない。このようなことは多くの精神病において当てはまる。

専門家ではない人が精神疾患を判断したり、自分なりに診断すると何かの精神病に当てはまるような気がしてしまう。もちろん、専門家である精神科医などが診断すると正しい判断ができるのかもしれない。しかし、人の心は自分しか、いや自分ですら正確に理解することはできないからだ。人の心は複雑なので多くの要因に影響されて形成される。自分が思う感情の原因はあくまで一つの要因にすぎない。人は自分の心も完全に理解することはできない。

同じように、精神科医も相手の心を完全に理解することはできない。たしかに、部分的な答えでも病気があっているのかもしれない。しかし、完全に理解できていないのに病気を推測するのは難しいと思う。あくまで、精神科医の推測が無駄ということを言いたいのではなくて、病名が必ずしもあっているわけではないということである。

そして自分のことが病気だと勘違いしてしまう病気もある(心気妄想)。もちろん、精子病自体がないと言いたいわけではない。しかし、人の心は原理的に不明瞭なところがあるからこそ慎重に扱うことがある。しかし、人は誰もが一番関心をもっている「自分」の心ですら傷つけてしまうことがある。なのに、人の心まで配慮しろというの難しい話かもしれない。

 

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