比較の罠

悩み解決

クリエイターの苦悩

日本はクリエイターが多い国だと思う。背景としてアニメや漫画が一般的であり、世界的にヒットしている作品も存在しているから。(まあ、彼らが正式に扱われているかはわからないが)しかし、そんなクリエイターでも辞職を宣言したり、時には自ら命をたったりすることもある。

また、クリエイターだけでなく芸能人やインフルエンサーにおいても仕事を引退したり自殺することが問題として取り上げられることが多い。なぜ、自分の好きなことや得意なことをしてお金や地位などがあるにもかかわらず命を絶つ判断をしてしまうのか。

多くの要因があるが取り上げるものは「上には上がいる」上方比較と下方比較について。

 

上方比較と下方比較

まずは上方比較と下方比較について述べていく。現代人も様々な価値観や基準によるランク付けが存在しているが、人は大昔の狩猟採取時代からヒエラルキーの中で生きている。グループから追放された個体は死を意味していた。そのため、自分がどの立ち位置にいるのかを把握しておきたい気持ちがある。また、あわよくば上に行きたいという気持ちがある。上にいれば権力を伴うことも多く、自分の欲求を満たしやすくなるから。一方で、リーダーに服従したいという気持ちもある。全て自分で決めるよりもはるかに楽に生きることができるようになるから。

このようにリーダーに従いながら他の個体よりも目立とうするが、グループから追放されないようにするという複雑なゲームをしている。そして、人は自分の立ち位置が相対的に高い人を見たとき(上方比較)に損失を感じるようになっている。無意識に他人と比べて立ち位置を把握しようとするためである。

POINT 人は空想での刺激と物理的な刺激を判別できない 妄想→現実に起きたかのように脳は錯覚する 損失と感じる=他人から殴られる感覚
また逆に他人よりも相対的に立ち位置が上の時(下方比較)は報酬を感じるようになっている。これは人間の本能なので優しい人や聖人君主でさえ備わっている一つのプログラムのようなものである。

具体例と傾向

SNSで他人を大きく批判する人たちがいるが、彼らは「正義」の名のもとに自分の快楽のために批判したり上げ足を取っている人も少なくないと思う。また、上方比較で損失を感じていた相手(芸能人やインフルエンサー)が何か問題が起きたときには、自分たちの正義を惜しみなく相手にぶつけるのだろう。その時(下方比較)に感じている彼らの幸福感は、きっとジャンクフードを食べたときやオーガズムに達した時と似ているのかもしれない。
このことから、芸能人やインフルエンサーは常に自分より優れている人と比較(上方比較)してしまい、下方比較による袋叩きを不安に思い続けてしまうこともある。夢があるように思えるインフルエンサーでさえ、現代の社会では自分の欲求のために他人を批判する人たちにおびえ続ける可能性もある。炎上した暁には、彼らから毎日、殴られているのと同じように感じる暴言や罵声を浴びせ続けられるかもしれない。彼らは、自分の欲求のために人を死にいざなうこともあるのだから。

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